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<富士薬品>5億円所得隠し 損失を過大計上
2010/09/05 13:17

配置薬販売国内最大手でドラッグストア「セイムス」をチェーン展開する「富士薬品」(さいたま市)が関東信越国税局の税務調査を受け、09年3月期に約5億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。経理ミスを含めた申\告漏れ総額は約17億円に上るという。不動産事業からの撤退に伴う損失を過大計上することで赤字申\告して課税を免れていたといい、追徴税額は重加算税を含め数千万円に上るとみられる。

 関係者によると、同社は09年3月期決算で多額の「不動産事業からの撤退に伴う損失」を計上。営業利益は約80億円に上ったが、他の項目も含めて純損失が100億円を超えたとして法人税を納付しなかった。

 こうした「撤退損」について同社は「不動産ファンドの清算による投資家への資金返還や子会社の保有するファンドの清算損を補てんしたことなどにより発生した」と説明。しかし国税局は「意図的に損失を水増しし、黒字を赤字と仮装した」と認定した模様だ。富士薬品は取材に対し「コメントはない」としている。

 同社は1954年設立で、10年3月期の売上高は1460億円。配置薬は全国約350万家庭に販売しており、セイムスは全国に389店舗(今年3月現在)を展開する。民間信用調査機関によると、子会社を含めたドラッグストア部門の総売上高(09年3月期)は業界4位。

<毎日新聞>




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