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ベトナム側に不透明支出 兼松、1億5000万円所得隠し
2011/02/09 12:56

東証1部上場の総合商社「兼松」(神戸市中央区)が、大阪国税局の税務調査を受け、平成21年3月期までの5年間で、約2億5千万円の申\告漏れを指摘されていたことが8日、分かった。ベトナムの国営企業グループに対する造船技術供与などの受注工作に絡み、ベトナム側へ1億円以上の不透明な支出があったことも判明。申\告漏れのうち、不透明な支出を含む1億5千万円前後が悪質な所得隠しと判断されたもようだ。

 追徴税額は本来、重加算税を含め1億円近くになるが、累積した過去の赤字と相殺されたため約1700万円にとどまった。兼松はすでに修正申\告や納税を済ませたとしている。

 関係者によると、兼松では15年以降、国営ベトナム造船グループ「ビナシン」に対し、多数の日本向け新造貨物船を発注。新造船を建造する際は、兼松側からビナシン傘下の造船所に、機材や船舶設計、造船技術などを一括して供給してきた。

 ただ、ビナシン側に一括供給を受け入れてもらうため、兼松から現地のエージェント(代理人)に対し、新造船を建造するたびに多額の支払いが発生したという。兼松ではエージェントへの支払いは仲介手数料に当たると判断し、税務上の経費に当たる「損金」として処理していた。

 これに対し国税局は、エージェントへの支払いが、受注工作を目的としたビナシン側への不透明な支出であり、損金に算入できない「交際費」に当たると指摘。さらに、悪質な仮装・隠蔽(いんぺい)行為もあったとして、所得隠しと認定したとみられる。


<産経新聞より>




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