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課税逃れ防止で国際ルール…G8で合意見通し
2013/05/23 11:56

国際的な企業が法人税の安い国に実態のない子会社を設立するなどして、巨額の課税を逃れているとして、日米欧の先進国が課税逃れを防ぐ国際ルール作りに取り組むことになった。

 英国で6月17、18日に開かれる主要8か国首脳会議(G8サミット)で合意する見通しだ。財政再建の課題を抱える各国は、国際的な連携を強め、課税逃れに対して厳しい姿勢を示す。

 国際的に事業展開する大企業は、特許やブランド権、高度なコンピュータープログラム、宣伝や経営の手法など、形はないが利益を生み出すもととなる「無形資産」を多く持っている。こうした企業が税率の低い国にある子会社に無形資産を譲渡し、子会社が利益を出せば、税金は会社の所在地に納めることになるため、親会社が同じ利益を出すよりも税金は安くて済む。

 特に、情報技術(IT)関連企業には、ケイマン諸島などタックスヘイブン(租税回避地)に実態のない書類上の子会社(ペーパーカンパニー)を作り、無形資産を無償か格安で譲渡するケースが多くみられる。譲渡によって、本来は親会社が出すはずの利益を子会社に移し、合法的に巨額課税を逃れることができる。

 この場合、親会社が、無形資産が生み出す利益を反映した「正当な対価」を受け取れば、その対価に応じて親会社に税金を課すことができる。しかし、現在は、「正当な対価」を計算する統一的なルールがなく、企業は自社の都合に合わせて譲渡方法を決めていた実態がある。このため、G8は、無形資産の定義や、資産価値の評価方法などについての国際ルール作りに乗り出す。


<読売新聞より>


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